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2010年06月17日

期待しすぎた? 甘苦上海「T8」

『甘苦上海』っていう小説を、

sgankushanghai_1.jpg

・・・ご存知の方も多いと思います。


そして、それ以上に「あの本ありえん」という感想をお持ちの方も多そう…(笑)


1.なぜ日経新聞に連載されていたのか?

   ⇒朝っぱらの通勤電車の中でイヤでも目に入るのが苦痛

2.なぜ上海を舞台にする必要があったのか?

   ⇒あれが上海に対するイメージになるのは心外だ

3.なぜ読んでいて不愉快になるのか?

   ⇒登場人物たち(特に主人公)の思考についていけない
   ⇒“旅の恥は掻き捨て”感 / “上海”を語る描写の底の浅さ


『甘苦上海』がどうも苦手だったり不快だったりする読者の多くは、
おそらくこの辺りに拒否反応を示されてるんじゃないかと。
(ネット検索していても、よく見かける個人書評)


わからなくもないですよ。

そういうところ、少なからずある小説だとは思う。


でも、蜜は 『甘苦上海』 けっこう好きなんですよ。


ライトノベルっぽい感じで。
(なーんて書いたら、高樹センセイに失礼かもしれませんが…)


この作品を知ったのは、わりと最近=つまり上海に住んでから、
友人に「オモシロイよ」と薦められたのがきっかけ。
何がオモシロイ、とこの友人は言いたかったのか は、読んですぐによーく分かった。(笑)

これは確かに、、、 ねぇ。。。
(おかげさまで、あれからすっかり隠語にね…)



こういう経緯で入ったので、
1.の日経新聞云々は、あまり意識することがなかったです。
かの高尚な新聞ですから、もっと品格があって知的な刺激を受ける作品を!と
望まれる方も多いでしょうけど、
蜜があれをリアルタイムに読んでたら、あるイミ朝からもっと目が冴えてよかったと思う。


2.は。
もちろん、ここに書かれたそのままが、上海のすべてじゃない。
けど、あのストーリーを繰り広げるのに上海はわりと向いている舞台かと。

ああ見ようと思えば、ああ見えてくる上海。
一部分だけ拾って虚構のイメージを造り上げてそこで暮らしていける。
・・・ここに蜜は、ある種の共感と自嘲を感じたので。

“ここは上海ではない。ここは甘苦上海というもう1つの世界。”
『サヨナライツカ』の沓子の台詞をもじって)

これは、3.の“上海”を語る描写の底の浅さにも繋がるところでしょうけど、
紀行文でも経済本でもルポでもない、フィクションなんだから。
いいんじゃないんですか?
え、ダメ? 仮にも日経新聞に連載してたんだから?

そうですね。。。 (テキトー・笑)


3.は...
ライトノベルだからそれでいいんです!!
って言っちゃったら、純粋なファンの方に怒られちゃいそうですが。

主人公の台詞は時おりイッちゃってたり、不自然で苦笑いなのだけど、
モノローグは結構、いい所までホンネを生々しく並べていると思う。
心に穴が開いていて、自己愛の強い女の本音をね。

恋だか愛だか、それに似たモノでもそれと関係ないセックスでも何でも、
自分の隙間を埋めることが目的な人の…。

こういう人間の思考回路で見る上海と、彼女に係わる人間模様を覗くわけですから、
そりゃあ気持ちは良くないし、不愉快にもなるでしょうよ。

だけどオモシロく読みましたよ。蜜は。



楽しめた理由は、もう1つ。
上海のレストラン・バーが、地名と実名付きでいくつか紹介されるから。


・・・はい、非常〜〜に長い前置きになりましたが、ここからが記事の本題(笑)


* * * * * *


sP6152316.jpg
この夜の舞台は、新天地の「T8」。

ここは、『甘苦上海』の1シーンに登場するレストラン。

主人公・紅子が日比野と(回想で石井京とも)、
・フォアグラクリーム
・ツナのセサミキャビアタタキ

などを食べて、その味を絶賛する場面があるのです。

その絶賛具合の描写がすごく、
しかも、作者の樹のぶ子が ご自身のブログ でも
「唸るほど美味しい」と評しているほどですから、気になるじゃないですか!


けれど、普段使いで気軽に立ち寄るにはちょっとグレードの高い「T8」、
絶好の“特別な日”に合わせ、満を持して訪れました♪


sP6152317.jpg
レンガ造りの重厚な壁の内側には、水とガラスで煌めく入口が。

スタイリッシュで開放的な、魅せるタイプのキッチンを囲むように
カウンター席が並んでいますが、今回蜜たちは奥まった窓際のテーブル席へ。


T8_2.jpg
スパークリングワインで乾杯☆

ボトルの写真を撮りませんでしたが、
銘柄は Prosecco ANGELA VIANO。(まぁフツーに…)


T8_5.jpg

↑まず最初にサーブされた、この焼き立てパンがすごく美味しい!!

ふわふわの香ばしい生地に、練りこまれたレーズンやナッツの程よい甘みが加わり。。。
添えられてきたのは、バターの他に写真右の赤いパテ(?)。
トマトのようなさっぱりした酸味を感じました。

これで一気に高まった期待感。



・・・が。

sP6152328.jpg
あれ? フォアグラクリーム、と思って頼んだものが…


snobu_T8.jpg ←正しい フォアグラクリーム の図。先生のブログより抜粋)


・・・。

・・・・・・蜜が間違えてる??


T8_4.jpg
でも、前菜のメニューに“フォアグラ”の名前が付くのは、これだけ…。

スターターとメインにもありませんでした。
(まさかのデザート枠?! そこは見てなかった…)


けれど、仕方ないのでサーブされたものを頂きます。
まぁ、、、フォアグラですね。このお肉は(笑)
周りにちょっとクリームがかかっているのですが、これは
幻の? フォアグラクリームの足元にも及ばないんでしょう、きっと。



気を取り直して、期待のもう1品、

sP6152326.jpg
ツナのセサミキャビアタタキ。

『甘苦上海』で、日本からの出張者・日比野が、
その旨みを噛みしめて悶絶するほどの美味だという逸品。

さあ・・・



・・・。


・・・・・・ なんかフツー?



悶絶までする点が、さして見当たりません。


た、樹センセイ・・・?(涙)




予想外の展開に、しばらくフロアでも見渡して気を落ち着けることに。

T8_6.jpg
店内の雰囲気は抜群なんですけれどね。。。

T8_7.jpg
まさにデートか合コン(には高いかな…)向き。


T8_8.jpg
スターターから1品。

豚肉と、鳥(皮)のから揚げとサラミの組み合わせ。
盛り付けがもうお上品すぎます(泣) ←意図を汲んで下さい。


T8_9.jpg
メインから1品。羊肉のグリル。

美味しくなくはない。
いい意味で、羊肉の臭みがしっかりと感じられるジューシーさはあります。

けど・・・ 比べても仕方ないけど、
これを食べていたら、「Bella Napoli」のラムチョップが無性に恋しくなってきちゃいました…。



この時点でもう、お腹はいっぱい。
デザートに対するあてのない期待も、もはや薄れかけていて、

T8_3.jpg
フローズンカクテルを替わりに。これは満足でした♪


ちょっと意気込みすぎてしまったのでしょうか?

全体的にある程度のレベルの味まではきちんと達している
のですが、
これといって強く感動するような美味との出会いがなく、
これでお値段が2人で1300元という。。。

新天地にあって、ここまでラグジュアリーな様相なら相場かもしれませんが。

フォアグラクリームを逃してしまったのは心残りです。
もしどなたか、その味を確かめられた方がいらっしゃったら、蜜に教えて下さいね。



*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*:..:*
■T8■
上海市盧湾区太倉路181弄 新天地広場 北里8号
Reservations: 021-6355-8999




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この記事へのコメント
リンクありがとうございました。

今回の記事・・・物語風で、蜜さん、作家にもなれるほど、なかなかの文流ですね!!!私が絶賛させて頂いても、大層な事ではなく失礼・・・でも、これからも楽しく拝見させていただきます。

10月31日といわず、早く上海行きたくなりました。
Posted by ユーヒーロー at 2010年06月17日 19:47
2人で1300元?ここそんなにするんですか?
ほとんどバーとしてしか使ったことがなかったから知らなかった。
期待したほどの味ではないっていうのよくありますね。
もしかしたら、シェフが変わったのかもしれませんね。
『甘苦上海』って知らなかった。
ちょっと気になりますね。
衛慧の『上海ベイビー』みたいな内容なのかな?
Posted by chinausa at 2010年06月18日 00:16
ありがとうございます。
そんな風に仰って下さると、かなり時間をかけて記事を書いている励みになります。

作家ですか・・・ なれるものならなりたいですねぇ(笑)
そんな文才あるわけじゃないんですが、文章書くのは好きなので、
これからもご愛読いただけたら嬉しいです〜☆

おいでませ上海。
Posted by >ユーヒーローさんへ。蜜 at 2010年06月19日 14:02
 
はい・・・。
1300元でした。そんなに飲んでないですよ?
Proseccoボトル1本とカクテル1杯、それにお料理はこれで全部。

バー利用での方が、向いてるかもしれませんね。
それなら素敵! うっとりしちゃうデートコースです♪(笑)

『甘苦上海』は、、、
楽しく読める方を選ぶ内容だとは思います。
どうにも受け付けない読者のほうが多いかもしれません(?)

『上海ベイビー』こそ、蜜は知りませんでした。
Amazonで見てみたら、面白そう!!
読んでみたいな。
Posted by >chinausaさんへ。蜜 at 2010年06月19日 14:11
はじめまして。
他の方も書いていらっしゃいますが、本当に文章がお上手ですね!
「甘苦上海」の方では、料理の味が全く伝わってこず、はっきりいって「不味そう」としか思えない描写でしたが、こちらのブログの文章では、すごく食欲をそそられました。

確か、「T8」では、ノーパンプレイが繰り広げられていたと思いますが…。そのあたりはお読みになられましたか?
単行本の方は未読なので何巻に載っているのかはわかりませんが、多分、3巻か4巻あたりなのではないでしょうか。
あんな描写をされたら、「T8」は商売上がったりだと思います…。
Posted by sure at 2010年07月01日 13:00
はじめまして!
ブログをご覧頂き、コメントまでありがとうございます。

文章はなるべく頑張って書いているので、そのように仰って頂けると大変嬉しいです。
でも「T8」は期待が大きすぎてしまったのか、ちょっと味に感動まではできなかったんですよね…。残念。

ノーパンプレイ・・・(笑)ありましたねぇ…。
「T8」の2階ですね。さすがにそこまでは確かめてこず、本記事でもあえて触れませんでした(笑)

「甘苦上海」は実名で場所やお店が舞台になるところが、在住者には面白かったのですが、
ああいうシーンの描写に具体的に使うのは少し気遣った方が良かったのかもしれませんねぇ…。
Posted by >sureさんへ。蜜 at 2010年07月02日 14:11
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