株主

2010年07月31日

文月、終止符。

 
 君という個を包むその肌に唇を寄せてみたけれど、
 君自身の意思によって動かない体に、それは何の意味もない。


 ただ限りなく頬を近づけて、息遣いを感じ、
 決してふつうでは見ることのない距離で、その顔を目に焼きつけ、
 伸ばした指先から体温に触れた時、

 自然とこみ上げてきた嗚咽と、告げたかった一言を
 君のすぐ耳元で、決して音を立てないように呑み込んだ。


 覚えているのは、
 ドアの隙間から差し込んだ明かりに淡く浮かぶしどけない姿と、
 その内に潜んでいる太陽のように強い引力。

 それに焦がれ続けた日々と、果てはやるせない悔しさ。
 これでもう楽になれるという安堵と、置いて行かれるような寂寞。

 始まりの記憶から消えず、最後に再び抱いた君の残り香。



 もう遠い昔のことだ。





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posted by 蜜 at 23:59| Comment(2) | TrackBack(0) | others>ひとりごと。 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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